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山の上にクレーンだけが

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 風車の撤去工事は、9月26日の1号機ナセル上部取外しに始まり、強風のため遅れ気味ではありましたが、10月13日には1号機のタワー解体が終り、クレーン移動後の10月19日から23日まで2号機の解体が進められました。本日25日現在、山の上にはクレーンの頭だけが見える状況です。かなりの難工事だったと推測されますが、ここまで大きな事故もなく工程が進んだようです。 これらの工事の進捗状況を、着工前の状態から順次、一連の写真でお示しします。論より証拠。百聞は一見に如かず。 9月25日工事開始の予定でしたが、強風のため26日に順延されました。ハブ近くに作業員が立っています。その高さは地上約80mです。 天候が悪く、その後作業ができたのは9月29日でした。 ブレード抜き出しの動画(前回のブログ)も参照してください。ブレードは風を切る刃であると同時に付近住民の健康を切る刃でもあります。まさに、巨大な刃のような形にも見えます。 上の写真では、地上に降ろされたタワーのブロックが横倒しにされていく様子が見てとれます。 そして10月23日、全てのブロックが取り去られ、クレーンだけが残りました。

一号機撤去工事が始まりました。

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事前説明会の通り、9月25日午前より一号機本体の撤去工事が開始しました。 しかし、強風の為すぐに作業は中断されました。 翌26日も朝から作業が開始され、ナセル上部のカバーが撤去されました。 ところが、ここでトラブル発生。 何か機械の故障 の為、この日は故障箇所の修繕で終了しました。 続く27日28日は作業を進めようとするものの、強風の為休工。 作業開始から五日目の29日16時すぎ、やっと一枚目のブレードが撤去されました。 動画はその時の様子を撮影したものです。 翌30日は順調に作業が進み残り二枚のブレードが撤去されました。 この後週明け10月2日より ナセル撤去1~2日 タワー撤去5~10日 クレーン移動 10日 のスケジュールで作業が進むそうです。 撤去完了まで事故無く安全に作業を進めて頂きたいです。

風車解体…9月25日開始予定

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  風車2基の解体・撤去工事を 9 月 25 日(月)に開始すると、住友林業から電話連絡がありました。ただし、天候などで変更される可能性もあるとのことです。 風車解体に向けた仮設工事は既に始まっているようですが、社有林には入れませんので、何が行われているのかいないのか、私たちにはわかりません。また9月は解体のためのクレーンの設置が行われるはずですが、まだ外から見えるほどには組み上がっていません。でも期日までにはできるのでしょう。 そうしたら、 天候がよければ、 9 月 25 日には羽根を外す最初の工事が遠望できそうです。 国道 165 号線の青山峠から県道に入り(実はその県道は旧初瀬街道)、森を抜けて保健休養地内を走り、管理センターまであと少しの位置に見晴らしのよい場所があります。ここから見ると、手の届きそうなところに 2 基の大きな風車が立っていて、いまも伊勢湾の景観を分断しています。 11 月、風車の撤去後は当地自慢の美しい景観が戻ってくるのでしょう。そして、いま風の強い日は発生しているはずのタワーから生まれる超低周波音も、消えるのでしょう。 しかし…。全てが元に戻ったとしても…。 住民との合意形成もなく何ら工事中であることの表示もないままに風車建設を進めた事実、その責任、また音に関する環境を破壊しようとした(一部は既遂)姿勢、その責任。風車撤去まで続く景観破壊の責任。それらは事業取りやめと住民説明会や文書での謝罪によって、すべて阻却されるのでしょうか。クリアーとされるのでしょうか。2021年8月から心を痛めてきた私たちには、釈然としないのです。 工事中にトラックやダンプによって痛んだ道路は大部分修復されましたが、まだ一部は痛んだまま残っています。何かを象徴するかのようです。

公害の歴史の中で

   青山高原の住民である私たちは、自覚はないかもしれないが、 1 年半前から風車の被害を受けている。その私たちは、公害の歴史の流れの中で、いま、どこに立っているのだろうか。  ふりかえると、戦前は被害者救済まで至らなかったが、戦後は水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市の大気汚染、いずれもが、 a  企業周辺の住民に被害発生⇒ b  被害者が立ち上がり声をあげる⇒ c  加害企業は事業と住民の健康被害との因果関係を否定する、同時に関係官庁の対応の遅れも目立つ⇒ d  学者が因果関係を明らかにし、マスコミも問題を世に伝えて住民に加勢する⇒ e  住民による損害賠償請求訴訟の提起、首長の交替などの投票行動⇒ f  救済制度確立 という流れをたどっている。公害の種類はその後、カネミ油、薬害などに広がり、産業あるところ公害ありと言っても過言ではなくなった。そして、新潟水俣病判決(新潟地判昭和四六年九月二九日)にいう公害の特質(*)に顧みれば、風力発電による騒音被害(低周波を含む)もまた公害にほかならないといえる。  いま、明らかに風車の騒音による健康被害と思われるものがあるが、官・企業こぞって風車との因果関係を否定している。上記cの段階だ。正確に言えば「風車の運転と健康被害の関係を示すデータはない」とされている。実態はどうかと調べてみたら、そういう研究がないだけだった。国策を阻む研究に国が予算をつけることもないし、そういう研究者に与えられるポストもないだろう。研究すれば解るのに研究していないから、「データはない」のも当然だ。  戦後の公害の歴史に倣えば、いずれ因果関係も明らかになるのだろうが、少数の弱者を犠牲にして国策が進められていく構造は、現在の風力発電においても足尾鉱毒事件の昔から変わっておらず、痛ましい。その構造を保存する御用学者に良心はないのだろうか。  戦後の公害事件において加害企業や官庁の理不尽さを打ち破るのは住民のパワーだった。しかし、時代は変わってもいいのではないか。風車を建てようとする場所は僻地である。そこでは反対住民は強大な組織を作りがたい。少数の弱者が泣き寝入りするよりも、企業自身(住民の福祉向上を図るべき地方公共団体が風力発電事業を進めている場合もあり、この場合は当該地方公共団体自身)が、あらかじめ事業の危険性を吟味し、

風力発電計画中止

   ほぼ一ヶ月前、私たちは国連グローバルコンパクトに関する公開質問状を住友林業に出した。それに対する答のないまま、年が明けた。それ以外にも私たちは超低周波音に関する技術的質問等を投げかけては回答を求めることを重ねてきたが、いくつかの質問の弾が向こうに行ったまま、昨年 12 月のある日を境にぷっつりと回答が途絶えた。  そうした状態のところに、突然、 1 月 9 日付けの文書が地権者に送られた。その文書は「三重風力発電事業計画の取り止めに関するご連絡」と題され、騒音が想定よりも大きいと予測されること、地権者の意見、事業性等を総合的に勘案した結果、事業計画を取り止めることとした、今後撤去工事を行う、などと記されていた。  この文書をもって一件落着か?全てが終りか?  私はそうは思わない。住友林業は、地域住民との合意形成ができているかについて十分な確認もないまま(この点については既に説明会において謝罪あり)に工事を進め、地面からの高さ約 80 m(ブレード先端までは約 120 m)の風車 1 基を完成させ、 1 基のタワーを建てた( ブレードをつければ完成) 。その状態が続いて一年半になる。高い円柱は横風を受けると低周波音を発してそれが社有地を越えて遠くまで届く。それによって同社は音響に関する周辺の環境を私物化した。付近住民の音に関する環境を侵害した。また白い人工物で伊勢湾の眺望を分断しダイヤモンド富士を妨げて、公共財である景観を破壊した。  これらは罪刑法定主義の観点からすると犯罪ではない。違法ではない。しかし社会的責任はある。責任は、計画中止とタワー撤去でもって全て阻却されるのか。違う。酌量すべき情状が生まれただけで、過去に行い 1 年半の間続けてきたことの責任そのものが消えるわけではない。責任を果たすために、同社として付近住民に対する相応の配慮が必要と考える。  私たちにとっては、一つの山は越した。しかし全国にまだまだ風車建設計画がゴマンとある。風車の被害予備軍が全国に数知れず居るということだ。先行きは明るくない。

国連グローバルコンパクトに関する公開質問状

                                 2022 年 12 月 15 日 住友林業株式会社 代表取締役社長 殿 住友林業の三重風力発電所に反対する地域住民の会 国連グローバルコンパクトに関する公開質問状 世界には、人権侵害・児童労働・環境破壊など様々な問題があります。国連は、このようなグローバルな課題解決のためには、それぞれの国の活動だけでは限界があるため、国境を越えて活動する企業が責任をもって自発的に取り組むことが必要だと考え、人権・労働・環境・腐敗防止の 4 分野にグローバルコンパクト 10 原則を定めました(*)。企業は、この 原則を『戦略、ポリシー、手順に組み込み、誠実さの文化を確立することで、人々と地球に対する基本的な責任を果たすだけでなく、長期的な成功の舞台を整えることにもなります』と、国連グローバルコンパクトのホームページは謳っています。いま、このグローバルコンパクトには世界で 20969 、日本では 520 の企業・団体が、 そして御社もこれに加入しておられます。そこで質問です。 1  御社の加入の目的は何ですか? 2  御社の企業活動の中で 10 原則はどのように取り入れられていますか? 3  加入によって具体的な成果はありましたか? 4   100Hz 以下の低周波音による健康被害の発生につき、日本は世界の潮流に遅れ、科学的調査も不十分です。環境問題についてグローバルコンパクト原則 7 は、予防的アプローチを支持しなければならない( Businesses should support a precautionary approach ・・・)とし、その説明として 1992 年リオ宣言第 15 原則を援用し、『深刻な、または取り返しのつかない損害の脅威がある場合、完全な科学的確実性の欠如を、環境劣化を防止するための費用対効果の高い対策を延期する理由として利用してはならない 』と述べています。しかし三重風力発電所建設において、御社は、風力発電所は健康被害をもたらさないとして事業を進めようとされています。原則 7 に照らしたとき、その事業方針は明らかにこれに背くと考えます。御社のお考えはいかがでしょうか? 以上につき速やかにお答えください。   *グローバルコンパクト 10 原則 【人権】

又しても虚偽説明・・・1基のみで営業運転予定か?

    9月 30 日 ( 金 ) ・ 10 月1日 ( 土 ) で開催された、住友林業 ( 株 ) による三重風力発電所・追加調査に関する事前説明会にて、ブログにも掲載した質問内容について、 10 月 13 日にメールで回答頂いておりました。  しかし、回答となっていない内容のものが多く、現在、もう少し詳しく質問を書き直して、再度質問をさせて頂いております。    そして、その回答メール、質問の意図と返答の意図が、春の説明会の時とは違って、何故か噛み合っていないことなどから、何らかの時間稼ぎ?のような感じがして、説明会資料を再度読み直してみると・・・。  又しても意図したとしか考え難い 虚偽説明 と 重大な事実 に気づきました。  現在質問中の 質問5 は、「 2022 年秋 (11 月 ) から四季毎の予定で行われる追加騒音調査というのは、 工事中断中の未完成 でありながら、 1基のみでの営業運転開始前の稼動前騒音調査 ( 通常は風力発電施設完成後に行う実測調査 ) としか考えられない!!」という内容です。  再質問は 10 日ほど、質問5は1週間以上前に質問しておりますが、未だどちらも返答はありません。    3基で操業予定であることは、先日の説明会で表明されており、風車3基と現時点では、タワーの数からして騒音が異なるので風力発電施設稼動前の現況値としては不正確で使えません。又、3基完成後は稼動せずとも風車制御 ( ヨー制御など ) の騒音も発生・加算されるので、前述の3基でのタワーから発生する騒音と共に、現時点での騒音実測値は、3基完成後1基を計測するよりも相当低くなることが確実です。例外的に現時点での1基での騒音調査が有効と考えられるのが、1基のみで営業運転する場合だということなのです。  しかし、追加騒音調査説明会、同説明資料、メールでの質問の返答全てにおいて、「1基での営業運転」という言葉は使われておりません。 P53 に、「風車1基で実測調査することを検討」と、記載されているのみ・・・。  ただ、このページの①の実測調査は、建設予定地周辺でいつも聞こえている音 ( 残留騒音 ) となっており、4日間もかけて行う実測調査が、この説明の実測調査には値しない、虚偽であることが判明しております。建設予定地などではなく、