人体実験宣告!?巨大風車群の恐怖

 何と!!住友林業()は、次回の騒音追加調査に関する説明資料の中で2023年の1月、実測調査と称した試運転を行うと宣告してきた。

 一部建設済みのタワー2基から発生する騒音もある為、これらを撤去しない限り本来の現況値の測定は不可能である。なのに追加騒音調査で再度、冬季の残留騒音を算出し?、引き続いて1号機1基だけでの試運転を行う予定という。

 全基完成していないのに何の為に?異例であるのに理由は無い。

 

 青山高原保健休養地とガーデンビレッジ青山高原(以下、当地と略)から、一番離れた建設地にある1号機。去年迄とは測定方法も評価手法も異なっている部分が多く、比較がややこしい。しかし、その内、有効風速範囲内という条件で計測すれば、2019年冬季と完全に同じ条件(タワーを撤去した条件)であったとしても、残留騒音値(現況値)は前の計測時よりも上昇することに気がついた。

 ハブ高さで有効風速範囲4~12m/s内とは、風車が稼動しない約4m/s以下の風が吹く気候(おだやかな無風に近い状態)が、当地には完全に存在し得ない状態で、近隣風車群の騒音込の現況値を計測する騒音調査ということになる・・・。

 しかも、ハブ高さでの風速を住民は確認できない。前回迄と同様に計測地点でも風速・風況等の気象条件が同時に計測されなければ、過去3回の計測とは比較できなくなる。

 

 現況値とは現地の静けさを把握(音環境を保全)するために計測するはずである。

 有効風速範囲内であれば、大多数の近隣風車群も稼動中である可能性が高く、2019年の冬季調査からの風車群の甚大な影響を受けている調査結果を考慮すると、静かな音環境を計測する目的からは逸脱している。又、騒音を発するタワーが全て完成してない状況での調査なので、異例なものを感じる。

 

 当地は、既に3Kmちょっと離れている40基ほどの近隣風車群を始めとし、総計91基の既存巨大風車群と、4.2Mという山間部に建設することが信じられない巨大なもの迄含む、34基の建設計画も進行中である。これらが完成後は、更なる騒音被害と影響範囲の拡大となり、近隣数百m範囲に人家があり、影響を及ぼす範囲に学校や基地迄存在する、日本にも前例のない極めて特殊な地域

  一番近い近隣風車群から3Km程度なら、180Hz迄の低周波音領域は、完全に風車群の影響下である。何の告知も無く知らない間に風車がどんどん建設された結果、近隣風車群が稼動していない時しか、本来の環境を取り戻せなくなってしまっていたのだ。

 これだけ多数の風車群であると、一番近くにある風車が一部停止しても、隣接の風車との関係性が変化するだけで、超低周波音の風車騒音はほとんど減衰しなくなる。

 風車がカットインする迄の風速03m/s程度の風車群が稼動していない時のみしか、本来の当地の現況値は存在しなくなっているのに、この調査方法は何だろう?

 

 本来なら、風車群の騒音は建設予定の風車騒音に加算されるべきである。

 そうでないと、減衰し難い超低周波音は、風車群が拡大するごとに少しずつ全体での音圧を上げ、影響を及ぼす地域をどんどん拡大していくことになる。耳で聞くことが困難な周波数なので、知らない間に影響下となり、体感できる高レベルになった時は手遅れだ。

 公害範囲が拡大しているのに既存風車群の騒音・超低周波音(非可聴音)は、全て建設予定地の現況値に上乗せして、事実確認出来ないような計測手法!!

 

 政府の見解では、「風力発電施設から発生する超低周波音・低周波音と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認できない。」そうであるから、「風力発電所の環境影響評価の参考項目」から超低周波音が削除されたと、前回の説明会資料に掲載されていた。

 それが事実なら、1Hz未満の超低周波音域も公開して影響を検証することが必要

 しかし、肝心な1Hz未満の計測結果は、たとえ計測できる機器を使用してたとしても、公表されていない。住友林業()は、その計測結果も持っているのではないか?

 検証データの存在しない評価項目の削除は論外であり、しかも、当地はこの削除対象の例外的な地点である。だからこそ、次回の計測からは、1Hz以下の周波数帯も計測できる(一財)日本気象協会に調査を依頼し、削除項目である超低周波音の調査を、「弊社の追加調査では実施いたします」となったのだろうと推測される。

 個人的には、世界レベルで影響する1Hz未満の周波数帯は、音圧が空気振動ということを考えれば、世界中の風車の発電規模を考えた時、何らかの物理的な臨界に到達・何らかの振動数に共振する可能性に恐怖を感じている。非常に減衰し難いことが最大の脅威である。

 

 一番近い風車群が3Km以上離れている当地でさえ1Hz辺りでは信じられないような高レベルの低周波音(特に超低周波音域)が、2019年冬季の地表付近で1日の平均風速たった2.3m/sの時に計測されている。2018年頃に独自に調べた結果では、当地の年間平均風速は、地上70m位で78m/sであったと記憶しているので、標高差を考慮しても更に高レベルの音圧(100dB以上)が日常的に存在しているのは確かである。

 風速から考えると更に酷い数値の出た2021年秋季調査結果では、住友林業()は、参照値超えの訴えに対しても改善対策などには一言も触れていない

 風車建設前の、たった3日間の計測日でさえ、追加調査の説明資料P49の「圧迫感・振動感を感じる音圧レベル」で、既に大いに不快・非常に気になるのレベルが確認されている。タワーが建設されただけでも音圧レベルが上がったのに、稼動させたら、どうなるだろうか?タワー2基建設後から現在に至る迄、既に人体実験中であるのだ。

 

 そのような場所で、被験者の了承無しでの更なる人体実験を兼ねた試運転を行うのは「何人のどんな人が、何Kmの距離で、どんな場合にどうなるのか?」のデータが取りたいからに他ならない。定住者、職場勤務者以外に、休日前後には別荘に遊びに来る人も増えるので好都合。被害を訴えずとも酷い場合は救急搬送されて記録が残る。そして、そのような貴重なデータは、非可聴音の危険予測ではなく経済的な価値に結びつけられていく・・・。

 政府(経産省)の見解を強調するのは、健康影響が無いという知見から国が人体実験を公認しているとも取れる掲載なのだ。

 

 しかし、次回の試運転で被害が出る可能性が高いとの予想は、データがあれば推測できる範囲であり、国連グローバルコンパクトの「自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。」にも反している。(驚くことに住友林業は、自社の倫理規範で、これに署名を宣言している。)

 危険であるから詳細な理由をあげて反対しているのに何の対策案も立てず、1基のみでの理由も述べず、1週間以上試運転などは、迫害のレベルだ。

 もちろん、それだけが試運転反対の理由ではない。

 

 住友林業()は、既に計測が終わっている2021年の夏季(データの書き換えが露骨であった→後日訂正)や秋季(80Hzで参照値超えを起こしていた→真摯な対応無し)の騒音調査結果、2019年の騒音調査データで同じ箇所が2度に渡り書き換えられた件なども、ことごとく無かったことにする為、再調査(現況値の刷新)を行うつもりのようである。

 残留騒音は各シーズンごと(春季以外)に既に算出された値があり、2021年の秋季計測結果の残留騒音値29dBから、保健休養地、ガーデンビレッジ共に秋季の夜間運転は、3基の予測でも稼動が指針値を上回ることが判明している。何の為に行った調査だったのか?

 そう考えると、冬季4日間の実測調査というのは、追加調査は名目だけであって、計測方法からも試運転の一部であると考えられる。

 それ故、調査における全詳細データの開示と検証が、実測後すぐに住民側(有識者含む)と行われる必要がある。そうでない場合、4日間の実測調査の値を試運転時の値として、安全なレベルを主張される懸念が大きい。虚偽と訂正ばかりの今迄の対応から・・・。

 

 2022年5月、以前の騒音調査データが不正に書き換えられている疑いが拭えなかったので、詳細な理由を添付の上、住友林業()サステナビリティ推進室に2019年冬季の騒音調査の詳細データを開示するように要求した経緯があった。

 開示頂けた詳細データでは計測地点の部分が、本来の調査データそのままであるのか疑問があった。けれど、風車騒音被害の可能性を示す資料としては、非常に有効であるとの判断から使用した。

 全データの開示が義務づけられておらず、指針通りとは限らない、施主側にとって都合の良い部分だけピックアップしてまとめ、計測結果の数値として公開することが可能であり、そのような操作が結果的に、度重なる転記間違い(データの書き換え)という事態で露見したと見ている。

 

 その時の1/3オクターブバンド音圧レベル3日間(正午開始)の詳細データ(以下、詳細データと略)から、無風に近いと思われる時間帯のデータと、強風が吹いた時間帯のものとを比較することにより、既存風車群による現況値の上昇が、どの位になるのかを考察してみた。

 以下は、巨大風車群の多くがカットイン未満の無風に近い状態であると推測して選択した20191/3015時台のS-2地点詳細データ。

 この時間帯のG特性の平均値は45.4dB、最高値は57.4dB、低周波音のエネルギー平均値は43.2dB、同最高値は52.6dB。1Hz20Hz迄の超低周波音部分のみ抜粋掲載した。

 

Hz  1    1.25  1.6  2    2.5  3.15  4    5    6.3  8    10   12.5  16   20

Leq 33.0  31.2  29.4  28.8  28.4  29.4  29.7  28.9  28.5  29.5  32.1  33.2  33.1  32.7  

Lmax 46.5  46.2  46.5  41.7  43.7  45.9  43.9  45.7  46.0  45.6  45.6  45.6  44.7  46.5

 

1/30日のS-2地点(ガーデンビレッジ内)平均風速は地上1.51.8m/s

・音圧の単位はdB

・同じようなデータが、S-2地点より高台にあるS-1地点の1/30日昼間10時台にも見受けられた。

 

 大半の周波数帯で46.5dBが最高値として表れ、その他の最高値も5dBの範囲に留まっている。巨大風車群の風車の多くが、カットイン未満の停止状態(平均風速参照)と推測できる状態が大半を占めた時間帯では、超低周波音の周波数帯で際立った音圧上昇や特徴は見られない。平均値に於いても同様である。ほとんどフラットな状態のようだ。

 

 

 次は同じS-2地点の風が強く吹いていた時間帯と考えられる1/2813時台の詳細データ。

 この時間帯のG特性の平均値は52.8dB、最高値は76.9dB、低周波音のエネルギー平均値は72.4dB、同最高値は91.0dB

 

Hz  1    1.25  1.6  2    2.5  3.15  4    5    6.3  8    10   12.5  16   20

Leq 67.4  66.4  64.5  62.6  60.6  58.6  56.2  53.8  50.4  46.5  43.1  40.3  37.4  36.1  

Lmax 89.0  87.0  84.6  85.5  82.1  82.4  83.9  83.0  79.6  73.5  69.2  64.8  62.4  57.6

 

Hz   40   63    80  (406380Hzの周波数他のみ参考で追加)

Leq 35.2  33.9  33.9

Lmax 57.8  52.3  55.1

 

1/28日のS-2地点の平均風速は地上1.5mで2.3m/s

・音圧の単位はdB

 

 前述の無風に近い状態から、G特性の平均値は7.4dBの上昇で52.8dB。これで風車被害を訴えれば、被害妄想の烙印を押されそうだ。しかも当地ではこの時、見渡す限り風車はどこにも存在せず、最短距離でも3km以上離れた山の中にあったのだ。

 しかしながら、この時間帯のデータには、実際には被害として認められる範囲で、しかも高レベルの音圧が広く見受けられる。それは、周波数帯別データの最高値が公開されている内容のもので無いと、気づけない事実である。(今回は時間帯別迄見ているが)

 低周波音の各種実験結果の大半は、純音の単一音源を数十秒~1時間程度曝露した、ごく短時間における、一過性の騒音での参照値であって、1時間以上の曝露実験は皆無aである。一方、風車騒音は各種周波数帯の複合で、当地などは非常に複数の広域に亘る音源、日常的にである。それらを考慮するなら、エネルギーレベルでは、当然、最高値も合わせて比較する必要があると考えられる。

a閾値のグラフにおける実験も同様であると考えられる。

 

 

 このように、1Hz20Hz迄の周波数帯の音圧が、1Hzに向かって段階的に綺麗に上昇する傾向があるようなエネルギー平均値である場合は、超低周波音の波長特性と影響を受ける風車の数により、既存風車群の影響を受けている可能性が確実に考えられる。

 

 前例のような、被害として認められるレベルの音圧が、1日の時間帯で何度もデータ上で確認できていても、それらの値より3040Bも低いG特性の平均値と、1/3オクターブバンド音圧レベルの平均値のみで公開されてしまえば、風車被害の実態は、被害者の精神的な部分にすり替えられ、消えてしまうのだ。

 又、どのような理由から1Hz以下の周波数帯が計測(公開)されないのか不明だが、医学的に世界レベルで問題視されている0.3HzなどはG特性では-80dB程といった震撼ものの補正。これは、健康被害の関係性を考慮する以前の段階で、未然に風車被害が医学的に検証・立証されないように、意図的にG特性を超低周波音に適用しているとしか考えようがない。

 本来、生物や物体に影響を与えるのは、物理的なエネルギーの質と量(レベル)による部分が大きいのではないのだろうか・・・。

 基準や指針、評価などは、生命の安全と保護を念頭に置いて考えられるべきものだと信じている。

 

 そして、住民、及び一般に公開されるデータは、施主側が、ピックアップするデータ(指針に沿っているかどうかは不明)や計測・分析方法、平均値のみの掲載などによって、計測内容をコントロールした上で一部のみを公開できるようである。

 例として挙げた2019年冬季の騒音調査に於ける詳細データの抜粋は、風車建設以前の現況データ(風車群影響下)であり、風車建設後の値ではない。他所での被害時計測データと大きく異なる部分は、その影響する風車群の数と範囲(現在91基で1213km)である。

 2021年にタワーが2基(内1基は風車完成状態)建設された後の秋季騒音調査結果は更に超低周波音領域の音圧が上昇していた事実からも、試運転などとんでもない!

 この、風車を建設しただけで音圧上昇が起る事実を隠蔽する為に、2022年の4月、初めて開催された保健休養地の説明会直前に、2019年の現況値データが訂正されたものと考えられる。訂正された現況値の当事者であるガーデンビレッジには何の連絡も無く、説明会への来場迄拒否されていた。更に、1ヶ月遅れで開催されたガーデンビレッジ対象の説明会では、同じデータの一部が更に訂正されていたことからも、単なる転記間違いとは考え難い。

 

 前述の2021年秋季騒音調査結果(11/2728)S-2(地点3)昼間の平均値では、80Hz42.6B心身に係る苦情に関する参照値を超えていた。※b

 昼間の風速は0.63.2m/s(平均風速1.9m/s)地表付近で有効風速未満の日にである。

(タワー由来の騒音は、カットイン風速に関係無く、風速が上昇する分だけ影響も大きくなると考えられる。タワー先端部では、もう少し風速があったのだろう。)※b保健休養地の地点4では更に高い43.9dB

 

 決して見逃してはならないのは、稼動してもいないのに80Hz辺りの周波数帯が平均値で心身の参照値を超えていたという部分である。昼間の大半は、日常的に参照値超えの不快な音圧に、当地が度々晒され続けていることを意味している。

 稼動すると更に音圧上昇が見込まれ、エネルギーレベルでの最高値であれば2030dB程の上昇も予想されそうで、短時間滞在でもアノイアンスを感じる人が多いであろう非常に危険な試運転である。何故、全基完成前に試運転を強行しようとするのか?

 

 

 以上、素人故の勘違いや勉強不足による部分もあるかとは思うが、次回の騒音測定についての一番の疑問点や問題等を、率直に、理由を挙げながら説明してみた。尚、文中で参照した実測データの数値は全て、住友林業()より提供された資料の値を転記したものとする。

 昼夜を問わず行われる人体実験を兼ねた試運転は、本文で書いたように物的・心身共に相当な高音圧レベルが予想され、更なるアノイアンスの上昇を意味する。当地で仕事に携わっている者にとっては、アノイアンス発生レベル時点で既に、仕事に多大な影響を受ける営業妨害行為に等しく、更なるレベルアップの試運転など断じて認められない。

 

ガーデンビレッジ青山高原

風車対策班

コメント

このブログの人気の投稿

山の上にクレーンだけが

一号機撤去工事が始まりました。

風力発電計画中止