風車って風がほとんど無くても稼動して電力供給できる?


 こんにちは。

 青山高原では、雪のちらつく中にも鳥たちの囀りが、聴こえてくる季節です。

先日は、住友林業()さんのびっくり仰天な話でしたが、今回は、さらに驚きの風が吹かなくても風車は建設可能と主張されているかのような、開いた口が塞がらない話。

 

 前回、秋季の騒音調査で、一部建設のみで稼動前にも関わらず、「心身に係る苦情に関する参照値」の値を上回ったとお伝えし、その時にも少し触れたかと思います。

 

 過去3回の調査で、最初の2019年の時は、正直、調査そのものが、何がなんだか良くわからなかったといった印象でした。が、その調査結果報告の中に、夜間については、現況で保全目標値を超えており、風車の寄与はほとんどないものと考えられます。といったコメントの文章があったのです。風車が出す騒音より、当地の強風や自然の音の方が大きいから仕方ないのかな・・・と、漠然と、しかし、何だか腑に落ちない違和感を覚えたのが印象に残っていました。

 だってそうでしょう?風が吹く時もあれば、止んでる時もあり、無風の時は、ものすごく静かだったりするのです。それなのに全面的に風車の関与が無いなんて・・・。

 

 自社の所有している土地であり、そこに風車を建設するのは自由であり、住民を含む周囲の自然環境等には自主アセスメントにて対応するので何も問題はないといった内容のお話でした。

 

 それから、あっという間の2年半。20218月、何度かの延期の後、稼動前の夏季調査が行われました。当地の8/2829日というのは、既に初秋。夏なら昼に鳴いてた虫たちは、夜に一斉に鳴き始める秋の虫に入れ替わっていきます。通常であれば、環境省の指針にもあるように、風車が定常稼動する風速の日を選んで行う調査のはずなのです。

 しかし、調査日の3つある観測地点での風速は、最大で2.8m/s~最小0.2m/s。その中のひとつは、終日の平均風速が、なんと0.8m/sといった、風車稼動の事を考えると、ほぼ無風と言ってよいような状況。この調査結果を見せてもらった時、一瞬、理解に苦しみました。

 

 

えっ?風車って風がほとんど無くても稼動して電力供給できるんだ・・・??

 

 

 そんなはずあるわけはないのです。ここは青山高原の端、吹く時は、物凄い強風も吹き荒れる地。それなのに、この疑問だらけの調査結果は何なのでしょうか。しかも何度か直前に延期してまで選んだ日程であるのです。極めつけは、秋季調査も同じように何度か延期してまで風の無い日というものでした。

 音環境の保全目的なら、風車の有効風速範囲の風況下で測定する必要があるはずなのです。

何故なら、無風状態の現況が比較基準になれば、風車稼動後も同じ無風状態でないと比較にならないからです。こんな理屈、子供でも判ります。これでは、現在の当地と、風車が稼動した時点での音環境を比較できないし、お金をかけた騒音調査の意味がありません。

 それにしても、風も無いのに、この超低周波音を中心とした高めの音圧は何なんだろう。静かな山間部のものでも、閑静な住宅街のものとも違う低周波音の騒音結果。(これについては、機会があれば又書きたいと思います。)不気味な予感がしました。

 

 

 何かがおかしい。騙されているような気がする。直感的に、そうは思ってみたものの、何がおかしいのかさえ思い浮かばない。延期、延期で、結局風の無かった日であった可能性もゼロではないし、そう主張されたら通ってしまうものなのかも。しかも、調査はかなり高額なのです。

 

 そんな風に考えている時、ふと、最初に挙げたコメントの事が頭に浮かびました。

ひょっとして、あのコメントは、夜間に当地の騒音レベルが高ければ、風車騒音の寄与を考えなくていい。といった意味にも取れるのではないのかな。そう気がつきました。そういえば、同じ青山高原でも、夜間停止になっている風車があったような気がします。

 もし、現況が保全目標値を超えるような日に調査をすれば、指針値オーバーでの夜間停止を避けられると考えた上での日程選択であった可能性もありえるのです。あくまで推測です。

 

 例えば、夜間から明け方にかけて時には風速15m/s以上の強風が吹く当地では、音圧はかなり上がると思います。ただ、瞬間風速は20m以上になることも時にはあり、上がりすぎると今度は参照値以上になってしまうかもしれない。それで、風は無風に近く、夜間に虫が一斉に鳴きだす初秋の時期を選べば、夜間の騒音だけを上昇することが可能かもしれません。

 調査の開始は18時からで、夕方までに風況を読んで実施するかどうかを決めたらいいのでは?さらに、深読みをすれば、天然の虫の声は、お店で虫を買って大量に調達可能なものでもあるのです。しかも、どこにでも売っていて、誰でも何時でも買うことができる。あくまで推測の話なのですが・・・。

ただ、夏季調査結果では、残留騒音を求める時に、虫の鳴き声を適切な除外音処理せずに単純計算で求めてしまっているので、1つの地点で、夜間の騒音が保全目標値以上に上がってしまってました。単純計算は、認められているのかもしれませんが、環境省の指針では、虫の声は除外音処理するようになっています。そこからも、考えた通りではないのかなと思えてきました。

 

 

 風車建設当地に、確か2018年前後位迄でしたか、気象観測施設があったようなので、風況データも豊富にあったはずなのです。それと同じ位の時期にFITの許認可の申請を出されていたようですが、申請には、年間を通してのかなり詳しい風況観測データが必要なのではないかと思われます。その観測施設のデータを使われたのではないかと推測できるのです。あくまで推測です。どちらにせよ、風況は、風車施設にとって好ましいものであるからこそ、認定が下りたはずなのです。

 それなのに、何故、これほどまでに住民側には、無風に近い結果報告書なのでしょう。

 

 ちなみに既に冬日で風の緩い秋季調査の夜間は、軒並み低い値であり、夏季とは違う目的で風の無い日を選んだのかもしれないなと考えています。例えば、近隣の風車群からの影響が、思っていた以上のものであって、これ以上音圧が上がったら、稼動前から、いくつも参照値超えの周波数帯が出てきてしまうとか。或いは、未だ1基とタワーだけの施設であるにも関わらず、かなりの音圧上昇が予想されていたといったこともあるかもしれません。

 実際、80Hzでは参照値超えを起こしていたので、通常稼動の風況であれば、もっと広い範囲に参照値超えが起こっていたものと思われるのです。しかも、調査結果には、この値が、平均値か最高値であるのかが何も記載されていません。それ故、平均値である可能性の方が高く、そうであれば、さらに広域の周波数帯で、一時的にであれ、参照値超えとなっていることが推測できるのでした。今も定常的に参照値超えの状態が続いていて、対策、説明無しなのです。怖い!

 

 そこに住んでいる人達や動植物、生態系のことを考え、環境保全を推進するような態度であるとは、到底思えないからこそ、こういった事を書いて記しておく必要があると考えました。そのまま工事を進められ、4基共に完成し、稼動すれば、1km圏内では心身の苦情に関する参照値超えのポイントが、続出する結果は、既に目に見えているのですから。

 

 どちらにしても、環境省の指針には、調査は1年を通じて平均的な状況を呈する日(四季毎)とありますし、風車が稼動する代表的な気象条件の日と比較すると、2021年の夏季、秋季共に、大変不適切な、騒音調査日であることに、間違いないのです。

 

 これは、住民側にのみ不適切な現況のデータを提示しています。この為、心身及び物的な損害に対する危険予知と、音環境における環境保全に、圧倒的不利な立場に立たされている事実があるのです。これって、ガイドライン違反とかにはならないのでしょうか。

 

 どうして、風の吹かない調査結果の場所に風車を建設するのか?

 そうでないなら、FIT認定に提出した資料等とは何故、違った風況になっているのか?

11月は工事が中断してたので、秋季の日程は、夏季以上に選択の自由があったはずなのです。

 

 持続可能な地球環境は、先ず、正しいデータの公開からであると信じています。相反するようなデータの提示だけでは納得できないので、是非、公正で正々堂々とした態度をもって、このことに対する説明を、説明会の時にでも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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