海外の最新の研究から学ぶ:本当に風車は無害なのか?住友林業風車発電事業問題

風車は本当に無害なのでしょうか? 

「クリーンエネルギー」として、日本では未だ国策として推し進められる風力発電。 
環境省のデータはあまりにも古く、企業・業者寄りであり、その被害を1番に被る私たち住民や国民の立場には立っていないと思わざるを得ないものばかりです。

住民の会では、海外の情報にも目を向け、風車に関する最新の知見を調べていますが
ある方から、海外の文献の翻訳を頂きましたので、ご紹介させていただきます。


 以下は、「ScienceDaily」という研究者向けのニュースに本年8月に掲載されたもので、
騒音(シュッシュッ音)について述べています。

海外では、どのような研究がなされているのか?
ぜひ、ご一読ください。

▼元文献:ScienceDaily」 2021年8月18日の記事から翻訳


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『Wind turbine night noise / 風力発電機の夜間騒音』
〜Study finds ‘swoosh’ sound a possible concern / 研究により「騒音(シュッシュッ音)」が懸念されることが判明  〜

 風力発電は、世界で最も急速に成長している再生可能エネルギー分野の一つであり、フリンダース大学の専門家は、機械学習やその他の信号処理技術を用いて、 風力発電所からの迷惑な騒音の特徴を明らかにしています。 

 現在進行中の「Wind Farm Noise Study」から発表された2つの論文は、
風力発電を周辺地域に受け入れられるものにするために、風力タービンの騒音評価方法や ガイドライン、風力タービンの設計の改善に向けて新たな一歩を踏み出しました。 

 新しい研究では、風力タービンからの夜間の「シューッ」という音(専門的には 「振幅変調」(AM)と呼ばれる)が、風向きや季節、風力発電所の距離に応じて、昼間の明るい時間帯に比べて近隣の住民に最大で5倍も多く聞こえる可能性があることがわかりました。 

 フリンダース大学の博士課程学生Duc Phuc ('Phuc') Nguyenと音響専門家の Kristy Hansen博士が率いる研究では、風力発電所の騒音の長期モニタリングに機械学習と既存の知識を組み合わせて、風力タービンの騒音におけるAMを定量化し、特徴づけることに初めて成功しました。 

 「昼間と夜間では、振幅変調の量が大きく異なり、夜間は昼間の2倍から5倍の頻度で発生することがわかりました」とNguyen氏は言います。 

 「日没後に騒音が悪化するようで、風力発電所から1km程度離れた場所では、夜間の60%まで振幅変調が検出されます。 」

 「また、3km以上離れた場所では、夜間の最大30%に渡って振幅変調が発生しま す。」

風力発電所騒音研究は、フリンダース大学のアデレード睡眠健康研究所を拠点に、風力発電所周辺の住宅における騒音特性と睡眠障害について調査しています。
風力タービンの騒音と人体への悪影響との関連性については、現在も議論が続いています。

Hansen博士によると、風力タービンの騒音には指向性があるため、風下や横風の地域に住む住民は、風力タービンの影響を受けやすいと考えられます。 
「私たちは、AMがこれらの風向きの時に最も多く発生することを発見しました」 と彼女は言います。

「このような最近の機械学習の進歩を利用して、人間のリスナーが設定する実用限界に近い予測力を持つAM検出法を開発することができました。」

「これには、ブレードの回転に伴って増減するノイズ、つまり「シューッ」という音を含むAMも含まれており、風力発電機の騒音による悪影響をさらに助長しています。」

 「これらの研究は、同じレベルの他の騒音タイプよりも煩わしいと思われる風車からの騒音を測定・監視する能力を向上させるものです。」

Story Source:

Materials provided by Flinders UniversityNote: Content may be edited for style and length.


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いかがでしょうか?

専門的な話で、とても難しいですが、海外では積極的な研究により、日本よりさらに風車の騒音問題・睡眠障害などについて、踏み込んだ議論が始まっていることが分かります。

また、風車問題にとって「1Km」「3Km」と言うのは、かなり影響が心配される範囲である事も理解できます。

私は、当地、青山高原保健休養地に風車が出来るまで風車被害について、殆ど無知でした。
「風車から何キロが近いのか?」「何キロ位まで影響があるのか?」などと言う知識もありませんでした。

素人にとって「1Km」や「3Km」は、とても遠い距離に感じますが、風車問題に関しては「近い距離」であることが、この研究を読んでも分かります。

今回の住友林業の風車4基は、一番近い家まで500Mを切っています。(隣接する別荘地:ガーデンビレッジ内)
当地、青山高原保健休養地内で1番近い定住者の家は、風車から約658Mです。

風車のことを知れば知るほど、それが、どれほど恐ろしい距離なのか、、、怖くなってきます。


税金を使い、大企業が補助金に群がりながら展開する風車事業。
"クリーンエネルギー"政策は、自然を愛し、その地に住む人々の健康を犠牲にしてまで
押し進める価値のある「本当にクリーン」な政策なのでしょうか?

写真は今年5月。当地から見えた「雲海」の景色。
この美しい風景をこれ以上壊さないで欲しいものです。






住民:O.W




コメント

  1. 非常に重要な問題ですね。もう20年近く前から、牛山泉教授(足利工業大学、風力発電)も、「風車の音は、木擦れ音(木の葉や木が風で擦れ合う音)と同じくらいの大きさでも睡眠障害を起こしている可能性がある」と言っており、カナダの研究者は「ブレード(羽根)が支柱を通過するときに出る衝撃音(シュッ、シュッという音)の周期が、人間に特に不快感を与える」という研究結果を発表しており、風車の音による被害は、単に音の大きさ(デシベル)の問題ではないことは世界中でわかってきています。

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  2. こうした特徴的な音がアノイアンス(強い不快感)や睡眠障害などを引き起こしているようです。アノイアンス(強い不快感)や睡眠障害が健康被害や病気の大きな原因であることは医学的常識です。平成29年の環境省の指針にある「アノイアンスや睡眠障害を起こしている可能性はあるが、健康に直接的影響を及ぼす可能性は低い」という記述を持って「健康被害との因果関係はない」という業者がよく言う解釈は単純な間違いに過ぎないのです。「風車によるアノイアンスや睡眠障害が健康に間接的影響を及ぼしている」と言って差し支えないのです。

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